【マンション大規模修繕】生活への影響は?どんな準備が必要?
【マンション大規模修繕】生活への影響は?どんな準備が必要?
大規模修繕工事の着工にあたり、居住者様からほぼ100%といっていいほど来る質問があります。
それは、バルコニー(ベランダ) ・ 網戸 ・ 洗濯物 の3つに関すること。
この3つは、大規模修繕工事の中でも居住者様の生活に直接関わってくる部分になるため「これからどうなるの?」「何か準備することは?」と不安に思う方も少なくありません。
今回は、そうしうた3つの質問をテーマに「工事中の影響」や「事前の準備」について、ご説明をしていきたいと思います。
1.バルコニー(ベランダ)
1-1.バルコニーは『専有部』?『共用部』?
マンションには「専有部」と「共用部」という区分があり、各マンションの定める管理規約によってその境界が決められています。
大規模修繕工事では「共有部」の修繕工事が行われますが、分かりやすい箇所で言えば、エントランスホール、廊下、屋上、屋根、エレベーター、廊下などで、これらはすべて共用部に当たります。
「バルコニーは?」というと、一見すると居住者の生活空間の一部のため、「専有部」と認識をしている方も少なくないのですが、“ 専用使用許可を与えられた ” 「共用部」 に該当します。
「バルコニーは修繕しなくてはダメですか?」
と質問をされる方もおりますが、大規模修繕工事の対象にバルコニーが含まれていた場合、基本的には全戸のバルコニーで工事が必要となります。
1-2.バルコニーではどんな工事が行われる?
壁面のひび割れや欠損などを補修する「下地補修工事」、サッシ廻りなどのゴム状の止水材を打ち替える「シーリング工事」、手摺壁や天井など塗装の劣化部分を補修する「塗装工事」、バルコニー床からの雨水の侵入を防ぐため防水層を補修する「防水工事」など。
工事の仕様や施工内容にもよりますが、様々な工事が行われます。
1-3.バルコニーの荷物片付け
そうした工事をスムーズに進めていくためにも、工事着工前に居住者様自身でバルコニーの荷物を片付けていただく必要があります。
<片付ける必要があるモノの一例>
・手摺に設置されているアンテナや配線類。
・窓に取り付けられている網戸。
・バルコニー内に置いてある物置、植木鉢、ウッドデッキタイル、人工芝、テーブル、チェアなど。
※基本的には室外機を除いた全ての荷物を部屋の中へ移動させる
「一気に全部片付けなくてはいけないですか?」という質問もよくいただくのですが、片付けをお願いするタイミングや片付けの期限は工事内容や施工箇所によっても異なります。
実際には、工事着工後、工事内容や施工箇所の進捗に合わせて「〇月〇日までにバルコニーの〇〇を片づけてください」といったお知らせが配布されるので、案内を確認しながら少しづつ片づけを進めていただければと思います。
1-4.移動が難しい時は?
もし、大きい物置や植木など一人での移動が難しい場合や、高齢の方など体力に不安がある場合は一度、現場代理人へ相談してみましょう。
1-5.片付けをしなかったらどうなる?
アンテナや配線をそのままにしておくと足場組上げ時の支障となったり、バルコニー内の荷物が防水工事や塗装工事に干渉してしまうなど、工事が進まなくなってしまう恐れがあります。
また、置いてある荷物に塗料や防水材が付着し汚れてしまったり、破損してしまう恐れもあります。荷物は必ず片付けるようにしましょう。
1-6.バルコニーの荷物が室内に置ききれない時はどうしたらいいの?
基本的には室内で保管をしていただくものですが、現場によってはプランターや植栽の仮り置き場を設けることもあります。
配布される「お知らせ」で仮置き場設置の有無や、その際の移動場所を確認しておきましょう。
1-7.不用品を処分してくれるケースも
バルコニーの片付けによってでた不用品を現場で処分してくれることがあります。
不用品・処分品が出た場合は現場代理人の方に一度、相談してみましょう。
※不用品の処分の可否については現場により異なります。
1-8.バルコニーの荷物は早めの片付けを!
大規模修繕工事でバルコニー工事をすることが決まったら、直前に慌てて片づけをすることにならないよう、着工の前段階から少しずつ片づけを進めていくことがお勧めです。
また、バルコニーは本来、避難経路にもなっているため、火災等の非常時に避難の支障とならないよう、日ごろからバルコニーには荷物を置かないようにしておきましょう。
1-9.防犯対策にも注意
工事の為、バルコニーの外側には足場が設置され、バルコニー内に作業員が出入りできるようになります。
工事関係者以外は足場に立ち入ることはできませんが、万が一のためにもサッシは必ず施錠をし防犯対策をしっかり行いましょう。
希望する方へは補助錠の貸し出しも行っているので、必要な場合は現場代理人へ声を掛けてみましょう。
2.網戸
2-1.網戸の取り外し
バルコニー内の荷物と同様に、網戸もバルコニーから室内へと移動させる必要があります。
「網戸を取り外してもらえないですか?」
と、ご質問をいただくことがありますが、網戸は室内側のビスで止まっている為、室外から取り外しをすることができず、基本的には居住者様自身で取り外しをしていただく必要があります。
2-2.網戸の取り外し方法
一般的なタイプのものであれば網戸の上部に「外れ止め」が付いているので、ドライバーでビスを緩めてストッパーを外すことで、網戸をレールから外せるようになります。
うまく網戸の取り外しができない、一人での作業が難しいといった場合は、現場代理人に相談してみましょう。
2-3.外した網戸はどうしたらいいの?
取り外した網戸をバルコニーに置いたままにすると汚れや破損の恐れがあるため、室内で保管していただく必要があります。
網戸保管用の袋が配布されるので網戸と一緒に外したビスや部品もなくさないよう一緒に室内に保管しておきましょう。
3.洗濯物
大規模修繕工事の期間中はバルコニーやその周辺で工事が行われるため、バルコニーで洗濯物を干すことができない期間が生じます。
3-1.洗濯物干しに影響のある工事
工事中に粉塵や材料の飛散によって衣類が汚損してしまうことがあるため、工事の内容や施工箇所によって洗濯物干しに制限が設けられます。
洗濯物干しの制限があった場合は、洗濯物を室内に干すようにしましょう。
<各種工事による影響の一例>
足場工事 ・・・ 仮設中に粉塵が飛散する恐れ
躯体補修工事 ・・・ カッター入れや斫り作業時に粉塵が飛散する恐れ
洗浄工事 ・・・ 洗浄の水が飛散する恐れ
塗装工事 ・・・ 塗料が飛散する恐れ
防水工事 ・・・ 防水材が飛散する恐れ
3-3.洗濯物が「干せる」・「干せない」はどうやって確認するの?
工事現場では洗濯物干しの可否についての情報を工事用掲示板やWEBサイトを通じて掲示・発信しています。
工事用掲示板で確認
大規模修繕工事が始まるとエントランス等に工事用掲示板が設置されます。
この工事用掲示板には工事工程や作業内容の他、洗濯物干し情報が掲載されています。
洗濯物干し情報は工事内容や進捗に合わせ、毎日更新されるので小まめにチェックするようにしましょう。
WEBサイトで確認
最近ではスマートフォンやパソコンからでも洗濯物干し情報が確認できるよう、各現場ごとに洗濯物情報を確認できるサイトが用意されます。
事前に案内がありますので、スマートフォンやパソコンからいつでも閲覧できるようURLを登録しておきましょう。
まとめ
1.バルコニー(ベランダ)
・バルコニーは共用部のため、自分の家だけ修繕しないといったことはできない
・バルコニーでは下地補修、塗装工事、防水工事等様々な工事が行われる
・工事をスムーズに進めるためにも事前にバルコニー内の片付けが必要
・荷物の移動や処分、置き場所など、片付けに困ったときは現場代理人へ相談
・足場が組みあがったら防犯対策にも注意
2.網戸
・網戸は基本的に居住者の方が室内から取り外し、室内へ保管する
・外した網戸を保管するための保管袋が配布される
・取り外しが難しい時は現場代理人へ相談
3.洗濯物
・工事内容や施工箇所によってバルコニーへ洗濯物を干せない時がある
・洗濯物が「干せる」・「干せない」は工事用掲示板やWEBサイトで確認
以上となります。
いかがでしたでしょうか。今回は大規模修繕工事のよくある3つの質問(バルコニー・網戸・洗濯物)をテーマに工事中の影響や事前準備について説明させていただきました📝
この情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです🙇♀️
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