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大規模修繕コラム
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建物の長寿命化とは!?修繕周期の延長

大規模修繕工事

こんにちは😄

最近、よく目にするようになった『建物の長寿命化』という言葉。



皆様は『建物の長寿命化』について、ネットニュースやテレビで、見たり・聞いたりしたことはありますか?

本日は、マンション大規模修繕にも関わる『建物の長寿命化』についてお話をしていきたいと思います。

この内容が少しでも皆様のお役に立てば幸いです🙇‍♀️



時代のニーズは『建物の長寿命化』へ

今からおよそ50年ほど前。

日本では、戦後の好景気や高度経済成長によって経済活動の動きが非常に活発でした。

そのため、土地や建物は利益を生む投機の対象とされ、建物がまだ使える状態であっても、

少しでも古くなったら取り壊しをして新しい建物を建てる

「スクラップアンドビルド」が建設業界の主流とされてきました。


しかし、1990年代以降になると。

“ 景気の悪化 ” “ 地球環境への影響に対する関心の高まり” から、

これまでの大量生産・大量廃棄の考えが見直され、

「既存の建物をメンテナンスして、できるだけ長く使おう」

という考えが徐々に普及していくようになります。




さらに、近年では。

築30年を超える高経年マンションが増加し、修繕の必要性が増していること。
(国土交通省『マンションストック長寿命化モデル事業』より)

持続可能な発展を目指そうという『SDGs(エスディージーズ)』の世界的な取り組みの広がりから、環境負荷の低減が強く求められていること。

などなど、今まで以上に「建物の長寿命化」が推進されるようになっています。




建物の長寿命化と大規模修繕の役割

そんな「建物の長寿命化」に大きく関わっているのが大規模修繕です。

なぜなら、建物の長寿命化には、修繕による維持管理が不可欠だからです。

下図は「マンションの補修・修繕・改修の概念図」になります。

図を見ると分かるように、建物の機能や性能は、完成時をピーク(初期性能)として、時間の経過とともに劣化が進んでいきます。


マンションの補修・修繕・改修の概念
※図は国土交通省 長期修繕計画作成ガイドラインを元に作成


建物の劣化状態に合わせ、適切なタイミングで行う「補修・修繕工事」

時代の変化や水準に合わせて行う「改良工事」

それらのまとまった大規模修繕工事を行うことによって、

建物の機能・性能を回復させ、資産価値を良好な状態で維持していくこと(=建物の長寿命化)
が可能となっています。


大規模修繕周期の延長によるライフサイクルコストの低減

最近では、建物の長寿命化を進める中で、
大規模修繕の周期を延長してライフサイクルコストを低減する取り組みも注目されるようになっています。

ライフサイクルコストとは

建物を建てるまでの企画設計費、建設費、日常保守、修繕費用、改修費用、解体費など、建物のライフサイクルに要する全ての費用のことを指します。

(Life Cycle Costの頭文字からLCCと表記されることもあります)


※図は国土交通省 保全ガイドブックを元に作成

大規模修繕の費用はこの運営費用の中に含まれており、大規模修繕の回数を減らすことでライフサイクルコストを軽減することができるようになります。

大規模修繕の周期と回数

国土交通省がまとめた資料によれば、マンション(鉄筋コンクリート造住宅)の平均寿命は68年、大規模修繕周期の目安は12年とあります。

それらの数字をもとにマンションが寿命を迎えるまでに行われる大規模修繕の回数を下図にまとめてみました。


寿命68年のマンションに対し、一般的な修繕方法を用いて12年周期で大規模修繕を行った場合、建て替えまでに5回の大規模修繕を実施することになります。


では、次に高耐久性素材や長期保証対応のハイクラスな工法を用いて大規模修繕周期を延長した場合はどうなるでしょうか。

まずは、15年周期になった場合です。



大規模修繕の回数を4回へ減らすことができました。


では、18年周期まで延長できた場合はどうでしょうか。


なんと・・・


大規模修繕の回数を3回まで減らすことができました。

『修繕回数が5回から3回に減るならコストが安くなるのは当たり前ではないか。』と思った方もいるかと思いますが。

ここで気を付けたいのは「大規模修繕の回数を減らした分のコストがまるまる下がる訳ではない」ということ。


修繕周期を延長する場合、通常の工事と比べ、高耐久性素材や長期保証のハイクラスな工法を利用するため、その工事費用は通常と比べ割高になります。

一回当たりの修繕費用は通常の修繕費用よりも高くなってしまいますが、その後の補修や維持管理費などトータルで見た時に費用を安く抑えることができます。


コスト低減をしたい場合は、資金状況や居住者ニーズなども考慮しながら、将来を見据えて、大規模修繕周期の延長ができる工法を選択肢として考えてみるのもいいかもしれませんね。



周期延長によるコスト低減以外のメリットも

すでに前項でライフサイクルコストが低減できることを説明をさせていただきましたが、メリットは他にもあります。


例えば、マンション居住者の方なら、大規模修繕工事期間中に「洗濯物が干せない」「メッシュシートで景観が悪くなってしまった」「工事の音が気になる」といった煩わしさを感じられる方も少なくありません。

修繕周期を延長し大規模修繕工事の回数が減れば、その分、居住者様が快適に過ごせる期間が増えることにも繋がります。


また、管理組合の方なら、大規模修繕に向けての打ち合わせや準備といった手間が発生しますが、修繕回数が減れば、そうした手間を軽減することができます。


さらに、修繕ごとに発生する廃棄物も減らすことができるので、環境負荷の低減に貢献することができます。




高耐久素材・長期保証の工法にはどんなものがある?

ここでは、ほんの一例ではありますが大規模修繕の周期延長に欠かせない高耐久性素材や長期保証の工法についてご紹介をしたいと思います。

◎長期防水保証システム(ロンプルーフ)

※タイトルからカタログへリンクしています 長期防水保証システムはP.130より記載

一般的な防水保証が10年とされる中、ロンプルーフの長期塩ビシート防水保証システムなら、専用ルーフィング「ロンプルーフSP」を採用し、最長15年保証が実現できます。

ロンプルーフ防水事業協同組合認定組合員のみ施工が可能です。
当社で取り扱い可能な工法です。


◎高耐候性シーリング材 セメダインEXCELⅡ(セメダイン)

※タイトルから「セメダインEXCELⅡ」のサイトへリンクしています

高耐久、高耐光、非撥水汚染の特徴をもつ高耐候性シーリング材。
一般的なシーリング保証が5年とされる中、10年保証が可能です。

促進耐候性試験機においては10000時間経過しても変化がなく、年数に換算すると33年以上の耐候性を有する実力があるとされています。

シーリング材の修繕サイクルを見直すことで、パネル目地の使用が多い建物では、足場を組む修繕費用を削減することが可能になります。



◎アクリルゴム・外壁化粧防水材 アロンウォール(東亜合成株式会社)

※タイトルからカタログへリンクしています

外壁塗装の保証が一般的に5年とされる中、アロンウォールはアクリルゴム系外壁化粧防水材により、ひび割れからの建物の劣化進行を制御し10年の外壁防水保証が可能です。

また、超高機能表面被覆材として建物の劣化因子から保護し、構造物の長寿命化にも貢献します。

全国アロンコートアロンウォール防水工事業協同組合の組合員のみ施工が可能です。
当社で取り扱い可能な工法です。



マンション長寿命化の改修で補助金も!?

今後さらに増加していく高経年マンションの長寿命化や再生の取り組みを推進・啓蒙するため、2020(令和2)年に「マンションストック長寿命化等モデル事業」(国土交通省)が創設されました

長寿命化に関する先導的なプロジェクトについて、策定や工事に要する費用に対し補助金が出る内容となっています。


※画像からサイトへリンクしています


先導的なプロジェクトの例として、大規模修繕の周期延長につながる高耐久素材を用いたり、ライフサイクルコストを低減する取り組みが支援の対象となっています。

修繕周期の延長を考えているマンションはこうした事業を活用してみるのも一つかもしれません。



以上、

今回は建物の長寿命化について「ライフサイクルコストの低減」や「大規模修繕周期の延長」の話も交えてご紹介をさせていただきました📝

大規模修繕について何か気になることがありましたら、ぜひ気軽にご相談ください😊



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記事を作成する際に参考にさせていただいたたサイト
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国土交通省「保全ガイドブック」
国土交通省「長期修繕計画ガイドライン」
国土交通省「マンションストック長寿命化モデル事業」
国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書 取りまとめ後の取り組み紹介

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